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2017年2月

花は黙って花開く?!

櫻のつぼみいっぱいの枝が届いたのが
三日前 昨日今日一輪また一輪と
花ほころびている

櫻花の枝は 山形県酒田の
モト居候クンから
私の誕生日プレゼント! ほっこりとする

私は生まれつきの虚弱児だった
3才頃から小児喘息が酷く
入退院の繰り返し繰り返しで
複数のかかりつけ医師から 寿命は
ほぼ10才位迄と宣告されていたらしい

冬は熱海 夏は房総への転地療養
一年生入学後 出席日数が
三十数日のみで 落第をした

それがドウダロ 今年2月19日で
満82才 車椅子生活である→
車椅子で焦れてはいるが

しばらく以前 きものひらさわに
毒蝮三太夫さんが TBSラジオ中継に
来店された
まむしさんに
「今 一番の希望は」と聞かれ
『ハイカイでもイイ 外を歩きたい』と
答えた
「食事は?」と聞かれて
『女たちが カワルガワル』と答えておいた

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水森亜土さんひらさわオリジナル
【帽子&バック】が お気に入りで
5~6回ご来店をされ 
お近づき頂いているが
或る時 小さな鮭缶が送られて来た
独特の文字でメモが添書され
「Dear Ken これ食べると首の骨
治るよーん」と書かれてあった
―うれしいデス!

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日がな一日ウトウトだが ご来客の都度
「社長!」と起こされ
二階の【きもの展示室】へ
マイクロエレベーターで上り
毎度 お客様との『お喋り』が
私の出番なのデアル 
●赤ちゃんお誕生 氏神さま参拝
今風に謂うなら【住民登録】氏名の
【氏:神様】
●七五三祝 (7才♪トウリャンセの唄) 
(5才五月五日着袴の儀)
(3才髪結いの儀)の来歴
●着物季の物
「袷は紅葉に着て櫻に脱げ」
「アヤメ菖蒲で単衣の着物」
「蛍飛んだら薄いもの」など等
半世紀前の口伝を披露
『お喋り』のひと時を 周囲では
【口演会】と呼んでいる

「お喋りも現役のうち頑張れ」と
K君が千羽鶴82羽を贈ってくれた
【七五三御祝着セール】のお子様方に
大好評のお土産だが
千羽鶴82「種類」とお伝えで
皆様方「エーエーッ」と仰り 感服なさる

まさに きものひらさわの
キャッチ フレーズ
『レンタルよ サヨウナラ』に相応しい
心込めた手造り最高級ブランドと
自慢している

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誕生日に大好きな【ゴディバ チョコ】を
あちこちから頂いた
これでマァ 食べ終わる迄は
長生きしなきゃ ギリがスタル???
かである

お喋りの華 咲かせよう

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死出の旅路のお手伝い ~ 商い冥利に ~

呉服屋だからのセリフじゃないが
地球上人類の 最も美しい衣服は
『きもの』だと思う
マリーアントワネットもシンデレラも
粋で豪華で絢爛で 四季折々の着る物は
持って無い
『ドレス』は ダイヤなどの宝飾品で
整えなければ 衣装として成り立たないが
『きもの』は きものそれ自体が
宝飾に勝る 謂わば芸術品なのだ

世界のTOPブランド『きもの』が
日本人の日常から 当今 残念ながら
縁遠くなっているが
日本人ほぼ全ての人が
着物を着せられる時がある
終末の【死出衣装】をまとう時である

分別付かぬオバカが多い当節だが
マサカ【御棺の中】迄
パジャマやジャージーにはなるまい

ただし近頃 別な意味でのオバカが
「死に装束」と「死出装束」を
混同している
「死に」の時と「死出」の時は
【似て非なる時】着る物も
別なもの着用するのだ
【死に装束】は内匠頭切腹場の如く
正絹白羽二重長着長襦袢
下着も穢れ無い真白を着る
つまりは 死を決し
神の加護を願う意思表示の“きるもの”
なのである

敵討ちの場に女子供も白一色
【死に装束】に身を固め纏うが
これと【死出装束】は異なる

【死出装束】は 御棺のなかで着る
衣服 着付けも真逆に「左前」にする

かつて昭和30年代ごろ迄
呉服屋御得意様の諸方から
お心づもりの御調度御申付があった
【死出装束】を御仕度され
箪笥上段に納めておくのが
当時の心得であり 慣わしであった

Photo
昭和30年代

一昨年二月 都下近郊の方の電話
御問合せがあった
口ごもる様に「シデ イショウ」と仰る
『お旅立の御衣裳ですネ』とお答えすると
堰を切った様に次々ご質問があり
3~40分程 ――

忘れていた12月半ば
「憶えていらっしゃいますか」とのお電話
「本日〇〇万円送りました」
「お任せします【御旅立ち衣装】の言葉に
ほんと長い間の胸のつかえがとれました」
と仰る

昔作法で見積書請求書を
お送りしないでおいた
昔風な慣わしで小正月明けに鋏を入れた
仕立屋さんには
『糸を結ばない 糸を綴じない
返し針をしないで』と 仕立を頼んだ
ベテランの仕立屋さん二人
「勉強になります」と言いつつ
何度も何度も寸法を訊ねて来た

仕立上がり 『日』を撰んでの御納め
即日お電話があった
「偶然とは思えません 風邪をこじらせ
肺炎になり 入院中でした」
「お仕立ての出来上がったと言う日に
退院が決まりましたの」
「お品物が届いた本日只今
偶然のように退院ですのよ」
「ありがとうございました」を
繰り返し繰り返して
感謝を口にされておられた

『偶然でなく 御縁起です』
私は心の中でつぶやいた
商い冥利と言うべき想いがじんわりだった

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