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親のコゴトと冷たい酒は後からジーンとキイテクル

ウチのオヤジは
典型的な「オーイッお茶っ!」の
亭主関白だった

母と女中さんが連れ立って
買物に出掛けた留守中
夕立 ニワカ雨 豪雨になった
案の定と言うべきか帰宅すると
庭の洗濯干し物がびしょ濡れだったので
母がボヤイタ
「お父さんたら お洗濯物を
取り込んで下されば ヨカッタのに……」

父は昂然と言い放った
「ワタシは係じゃナイッ!」

父は 食事時間も食事作法にも
几帳面な人だった
「食事」と言わず「ご飯」と
下町風に言う人だった

朝食7時半 昼食12時
夕食6時に きちんと食事を済ませていた

或る日 たまたま来客が立て込んで
父だけが朝食を遅れて
10時過ぎに済ませた

正午過ぎ(12時半頃)
店から奥へ来た父が
「ご飯はマダカ!」と言った
母が「アラもう召し上がるんですか」と
聞き返したら 父が爆発した
「日本中ドコのオタクも 昼ご飯は
12時と決っているぅ!っ」

そこでの母 ツギなるヒトコトが多かった
「アーラ まだオナカがスク時間じゃないと
思って……」

「子どもじゃない 腹加減まで
オマエの世話には ならないっ」

かくてである
ソノ日以降 父は 断固として[昼の食事]
昼御飯を拒否することになった

夏7月お中元の頃だった
―暑い忙しいの最中で―
身体でも壊したら大変だと
周囲が心配した

母が 昼前に出掛けての留守中
女中さんが
「旦那さん お昼のご飯デスョ」と
声をかけても 
父は「アリガト」と答えるが
食卓にはつかない

店の者が お遣い帰りに
「旦那さん3時のおやつです」と
パンやお菓子を買って来ても~
父は
「ありがとう」とだけで 手を付けない
八百長拒否 ガンコイッテツ である

昼食のみの断食は約一ヵ月半続き
父はやや夏痩せモードになった

ソレトナク事情を知らされた
懇意なご近所旦那衆が
昼飯を兼ね蕎麦屋で
秋祭りの相談を持掛けるが
父は蕎麦には 手を出さない
ゴージョウ イッコク ヘソマガリ である

やがて あれこれの事情を聞かされ
母方の祖母が乗り出し
母に向って切り出した

―「お前ね 口から出した話は
戻らなぃんだょ 出た話の行く先を
直すよか しょうがないだろ」―

正座して両手を突いて
母が父に
「お父さん私が悪うございました
お昼を召し上がって下さいまし」と言った

父が母に
「昼は 秋刀魚がいいな」と言った
一件落着であった

父は幼時に家が没落して
小僧からたたき上げて店を持った 
お出入り先お得意様の
お嬢さんだった母と世帯を持ちたくて
その一心で苦労(努力)した

「苦労の時は 辛抱(心棒)が肝心」と
言っていた
「商いは人様とのご縁だ」とも言い
ホロ酔い機嫌で続けた
「金がカタキの世の中だけど
女郎屋じゃあるまいし」

「金カネ金じゃ寒むスギル」とも言っていた

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